こんにちは
設計担当のなかむらです。
先月、私用で東京に出向きその中で限りある時間内でですが
プチ建築巡りを敢行してきましたので
抜粋した建物をいくつかご紹介したいと思います。
まず渋谷区道玄坂にある『Bunkamura』
大型複合文化施設で美術館やコンサートホールなどで構成されている
東急グループの施設です。
この近くでランチをとっていたところ
遠くにこの建物のファサードが見えて気になったので
足を運びました。
曲線壁のシンメトリーが特徴的で非常に魅力的なエントランスとファサードでした。
隣接する東急百貨店と共に2023年春に解体予定らしく
次の開発後にはどのような様相の建物になるのか
とても気になります。
続いて向かったのは台東区上野公園の一角にある『東京文化会館』です。
こちらも印象的な外観をしており設計はル・コルビュジェ氏を師匠に持つ前川國男氏。
戦後を代表するモダニズム建築であり反り上がる大きな局面の庇は
周辺環境と建物が一体になった建築を目指す前川氏ならではの発想だと思いました。
巨大なコンクリート打ち放しの外観ながら
その庇下のエントランスから自然に建物の中へ入っていける
内と外の垣根の無さに前川氏のモダニズムを体感できました。
続いて東京文化会館と目と鼻の先にある
巨匠ル・コルビュジェ氏による『国立西洋美術館』
世界文化遺産に登録される日本で唯一のル・コルビュジェ作品。
外壁に使用されているパネルには緑がかった玉石が敷き詰められており
雨に濡れるとその緑が深みを増すとのことで
曇り空だったので小雨を待っていたのですが結局そのまま
快晴の空模様となってしまいました。
あいにく1週間ほどの休館期間にかち合ってしまい
中には入れなかったのですが入口で出迎える
ロダンの彫刻作品を何やら改修しておりました。
遠くから見えているピロティも今では一般的ですが
同氏が初めて提案しました。
いわゆる近代建築の五原則というものです。
①ピロティ (les pilotis)
②屋上庭園 (le toit-terrasse)
③自由な設計図 (le plan libre)
④水平連続窓 (la fenêtre en bandeau)
⑤自由なファサード (la façade libre)
この5原則を提唱したル・コルビュジエの存在が
その後の建築のあり方を激変させたといわれており
ゆえに近代建築の生みの親と称されるに至りました。
ちなみに国立西洋美術館はそのコルビュジェの作品の中でも
後期の部類に入ります。
もう少しご紹介したいのですが長くなりすぎてしまうので
次回のブログと分けてご紹介させて頂きます。
なかむら